興信所に寄せられる依頼の中で多いものの一つに、「浮気調査」があります。
配偶者、もしくは恋人に他の交際相手がいることを疑い、行動調査を依頼するケースが多いといわれています。
調査員が実際に浮気調査に着手する場合、初めに依頼者が何を望むのかを聞き取ります。たいていの場合は、対象者が本当に浮気をしているかどうかを確認し、決定的な証拠を確保したいという要望が出されます。
探偵は依頼者の要望に沿うべく、対象者にまつわるさまざまなデータを集めます。
たとえば、対象者の身長や体重、身体的な特徴など、外見的な事柄です。対象者の顔や体格を確認するため、写真も欠かせないデータです。
さらに、対象者の勤務先や通勤コース、良く立ち寄る店や場所、平日と休日の行動パターン、自家用車の車種とナンバーなども詳しく把握します。
それから、残業や出張、飲み会などと称して対象者が外泊しそうな日は、探偵に連絡してもらうようにします。
これらのデータは、対象者の行動確認の際にとても役立ちます。
また、依頼者が対象者の交際相手について心当たりがある場合もあります。そういう時は、交際相手と思われる人の名前や住所、勤務先など、判明している情報を提供してもらいます。
対象者に関するデータが詳細かつ多ければ、それだけ行動調査の計画が立てやすくなります。そして、浮気調査がスムーズに進む可能性が高くなるのです。
こうして、浮気調査とそれに伴う行動調査について、実施期間や実施内容、見積もり費用などを依頼者と打ち合わせます。
契約を結んだら、いよいよ浮気調査の開始です。
下見調査が大切となる浮気調査
浮気調査は、対象者の行動調査を徹底することで成果が現われます。
探偵は、まず初めに下見調査を行います。これは、依頼者から得たデータを元に、対象者の行動をイメージするものです。
対象者の通勤コースとその交通手段、勤務先での動き、立ち寄り先とその周辺の状況など、下見と分析をする箇所は多岐にわたります。
こうして対象者の行動を前もって想定しておくと、普段と違う行動や不慮のアクシデントにも冷静に対処できます。
この下見調査を経て、興信所は行動調査についての計画を立案します。
張り込み場所や尾行車両の確保をすると共に、撮影や録音に必要な特殊機材を準備します。
そして、浮気調査を本格化させます。
通常の場合、探偵は二人一組で行動調査に当たります。これは、どちらか一方が対象者を見失ったり、対象者に怪しまれたりした場合でも行動調査を続行するためです。
浮気調査の実施期間には、探偵が対象者に対して尾行や張り込みを行い、行動調査をします。
この際、探偵は対象者に気付かれないよう留意します。たとえば、徒歩で尾行する時には帽子や眼鏡、ジャケットなどを着脱することで印象を変えたりします。
さらに張り込みをする場合には、尾行車両の後部座席に何時間も身を潜め、対象者の動きを監視することもあります。
もちろん、対象者が電車やバス、タクシーを使用すれば、同じ手段で尾行を続けます。
浮気調査においては、失敗や記録ミスは許されません。そのため、探偵の中にはICレコーダーを携行し、素行調査の内容をメモ代わりに吹き込んでおく人もいます。
このような行動調査の中で、決定的な瞬間が訪れることがあります。
たとえば、対象者が交際相手とラブホテルに入るところなどです。
この時、探偵は写真やビデオで画像、もしくは映像を撮影します。
夜間であれば、超高感度カメラを使用し、鮮明な画像や映像を収録します。
こうして対象者の調査が終了したら、すぐに報告書の作成にかかります。
報告書には、浮気調査の期間内における対象者の行動が詳細に記載されます。その他に、証拠画像や証拠映像を添付し、依頼者に提出することとなります。
本来は、この時点で調査が終了となります。
ただ、探偵事務所の中には、依頼者のアフターフォローに取り組んでいるところもあります。
調査会社の相談員が今後の生活について助言したり、離婚裁判に備えて弁護士を紹介するというケースがあります。これは、依頼者にとって心強い制度だといえそうです。